乾燥は木材を生かすか殺すかを決める重要なポイントとなります。
乾燥は大きく分けて二種類。
自然の中で乾燥させる『天然乾燥』と人工的に乾燥させる『人工乾燥』があります。
樹皮を剥いた状態で長期間にわたって放置し、雨風にさらすことによって乾燥させる方法です。
ゆっくり時間(2~3年)をかけて乾燥させることによって、木材の繊維に極端な負荷がかからないので、構造材として住宅に使われた後でも細胞は死なずに生きているのです。
ですから、木材の色艶が良く、香りが損なわれませんし、粘りがあり強度の高い木材となります。
自然の木が持っている風合いが残ったまま住宅の材料として使えることが、天然乾燥の一番のメリットです。
なお、ヒノキは伐採してから100年ほど経ったときが一番強度が高くなると言われ、長い年月をかけて徐々に強くなっていくのです。
さらに、正しい乾燥をすれば、千年を超える寿命を持つとも言われています。
人工乾燥は、木材を釜に入れて高温にすることで、短期間に強制的に乾燥させる方法です。
急激に短時間で乾燥させるので、木材の組織に負荷がかかり、木が本来持っている香りや粘りが飛んでしまって、繊維がぼろぼろになると言われています。
実際に天然乾燥された木材は鉋(かんな)で削ると艶が出てとても美しく仕上がりますが、人工乾燥された木材だと一切、艶は出ません。
メリットとしては、表面が割れにくいことと、短期間で構造材として使用できるので、単価が自然素材と比較すると、とても低価格となります。
もちろんですが、日伸建設では、自然の木の良さがそのまま残る天然乾燥した木材を使用することにこだわっています。
適度な強度を持った材料であることと、お施主様に自然の木の良さを感じながら生活していただくためには、多少高くても天然乾燥をおすすめします。
そもそも、なぜ木を乾燥させるのでしょうか?
伐採してすぐの木材は水分を多く含んでいます。含水率(木がとれぐらい水を含んでいるか)というのですが、産地、樹種、季節でも異なりますが、50%もしくはそれ以上となります。
家の材料となった木材は乾燥材と呼ばれ、含水率はだいたい18%以下の木材を指します。
木材は乾燥していく過程において反ったり、縮んだりします。ですので、あらかじめしっかりと乾燥しておくことによって、それ以上変化しにくくなるようにしているのです。
ですから、乾燥は木材にとって、とても重要な工程となるんです。